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【過電流継電器試験OCR】【不足電圧継電器UVR】試験のやり方【保存版】

過電流継電器OCR徹底解説
目次

継電器試験のやり方

過電流継電器試験(OCR)及び不足電圧継電器(UVR)の試験端子の説明を行っています。一例ですが、参考にしてみてください。

過電流継電器OCR

過電流継電器OCRの概要

過電流継電器OCRとはその名の通り過電流(過負荷・ショート)が発生したときにそれを感知して信号を発砲する装置です。日本の送電線において火花を見ることはあまりありませんがこの過電流継電器によって過電流が起きた時にすぐに停電を起こすよう保護されているので見ることができないのです。いつもお世話になっているショート動画を張っておきます。日本であれば過電流継電器が働き停電している可能性が高いですが、海外では保護装置が働かずアークフラッシュが出続けるようです。

見たことある人ならば過電流、特に短絡(ショート)が起こると火災やアークフラッシュによる大火傷など致命的な大事故が発生してしまうことを実感できると思いますが、日本では保護装置がしっかりしすぎているためにその重大さが分かっていない人が多いように感じます。

今後は技術者の不足やリチウムイオンバッテリーのショート火災などが原因でその怖さが日本中に知られていくのではないかと予想しています。

過電流継電器OCRの配線の説明

過電流継電器OCRを理解するために単純化して把握しよう

過電流継電器は各メーカーによって配線や内部の構造が少しづつ違うので各メーカーの取扱説明書を確認して内部構造がどうなっているか把握して試験をしましょう。

構造を理解するために単純化して把握しましょう

VCB型の受電設備の単線結線図の例を載せます。

CTTとは試験端子のことです。そのCTT端子に電流を流し動作するかを試験します。

これは初歩の初歩で過電流継電器OCRの試験を行うために動作を理解するための図です。実際の配線図は取扱説明書に記載されていますのでしっかり読み込んで理解してください。

過電流継電器OCRの例

静止型の過電流継電器の例

誘導型の過電流継電器の例

差し込み型のCTT端子(色々な種類がある)

ショートバー型のCTT端子

正式な名称は各メーカーによって違ったり、各技術者によって呼び方が変わるのでニュアンスで理解する必要があります。

おススメ過電流継電器OCR試験器

過電流継電器の試験を行うには実際に試験器から電流を流して動作するか確認します。主要な試験器メーカーと言えば株式会社ムサシインテックと株式会社双興電機製作所の2社が有名です。その他のメーカーには株式会社エヌエフ回路設計ブロックなどありますが、最初に導入する試験機としては専門的すぎるので電気管理技術者としてレベルが上がってきたら検討すればよいと思います。

株式会社ムサシインテックの試験器おススメ3選

マルチリレーテスタ IP-R1500

小規模な事業所であればIP-R1500で十分対応できます。耐圧トランスと組み合わせることによって交流耐電圧試験をおこなうこともでき、OCR試験とUVR試験もできますので一番コストパフォーマンスの良い試験器とも言えます。何よりおススメポイントはIP-R2000等に比べて小さくて軽いというところです。10kgと12kgの2台なのでバランス良く持ち運べますし、収納も場所をとらない優れものです。

注意点は、大規模な事業所では容量不足になったり現場で長い時間使用すると熱を持ち使えなくなることがあります。連続で多くの継電器試験を行う場合には不向きかもしれません。

マルチリレーテスタ ORT-50MP

IP-Rシリーズのように2台1組ではなく1台でOCR試験を行うことができます。耐圧トランスと組み合わせることによって交流耐電圧試験を行うことができるので、最初に購入する試験機としては良いかもしれません。

注意点は、UVR試験やOVR試験ができないことと1台で16.5kgなので持ち運ぶときにバランスを崩しやすいです。

マルチリレーテスタ ORT-50SV

ORT-50MPと同じく1台でOCR試験を行うことができOCR試験とUVR試験もできます。

注意点は、交流耐電圧試験ができないことと1台で18.4kgなので持ち運ぶときにバランスを崩しやすいです。

株式会社双興電機製作所の試験器おススメ3選

多機能型試験装置  OCR-25CVK

小規模な事業所であればOCR-25CVKで十分対応できます。耐圧トランスと組み合わせることによって交流耐電圧試験をおこなうこともでき、OCR試験とUVR試験もできますので一番コストパフォーマンスの良い試験器とも言えます。11kgと13kgの2台なのでバランス良く持ち運べます。

多機能型試験装置 BCT-25K

小規模な事業所であればBCT-25Kで十分対応できます。OCR試験とUVR試験と耐圧トランスと組み合わせることによって交流耐電圧試験ができます。さらに自動試験機能がついており、時限切替%スイッチがあり素早く試験が行えます。11kgと13kgの2台なのでバランス良く持ち運べます。

過電流・地絡継電器試験装置 BCT-50K

RT-20KⅡやBCT-25Kシリーズのように2台1組ではなく1台でOCR試験を行うことができます。TVD-1000Kと組み合わせることによって交流耐電圧試験やUVR試験等を行うことができ、時限%切替スイッチもあるので素早く試験ができます。

注意点は、TVD-1000KがないとOCR試験とGR試験しかできないことと1台で20kgなので持ち運ぶときにバランスを崩しやすいことです。

株式会社エヌエフ回路設計ブロックおススメ1選

電圧2相電流2相保護リレー試験器 RX47022

電圧2相電流2相保護リレー試験器RX47022はほぼすべての継電器試験を行えることができる試験器です。金額が桁違いに高いですが発電所などを管理している技術者は持っておきたい一台です。電圧4相電流4相保護リレー試験器RX4744もありますが電気管理技術者として受ける仕事ではほぼ使わないので発電所専属で試験を行う人用だと思います。

交流耐電圧試験はできないことに注意しましょう。

過電流継電器OCRをIP-R1500を使って試験する

各メーカー各継電器試験器ごとに接続場所や端子の形状などが違いますが、試験の考え方は同じです。継電器試験器には大きく分類すると3つの要素(出力)しかありません。電圧要素、電流要素、トリップの3つです。

過電流継電器試験は電流を入れてやり、動作したらトリップ端子で感知するという極めて単純な試験です。最初は難しく感じる人が多いようですが、継電器試験の中では簡単な試験になるのですぐに覚えてしまいましょう。

まとめ

過電流継電器は300kVA以上の施設などにVCBとともに設置されていることが多く小さい施設しか見ないのであれば試験することは少なくなると思います。そのため、たまにしか試験することがない電気管理技術者は苦手意識を持っていることが多いようです。大きな工場などは数十個単位で過電流継電器が設置されていることもあるので年次点検の応援に呼ばれたりした際、素早く丁寧に試験ができるよう試験器の種類・操作法や継電器の種類もしっかり覚えていってください。

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